キッチンカーをはじめようと思ったきっかけ☆

――キッチンカーをやろう。
そう思い立ったきっかけは、些細な会話だった。

「なんでもいいから店やんね? やったら面白そうだし」

面白そうなことをやってみたいと思うのは、きっと人のサガだ。
興味関心が無ければ『やってみたい』という気持ちには繋がらない。
反対に、スプーン一杯程度でも興味関心があれば、やりたい気持ちをいくらでも膨らませられる。
……と、語ってみたが、つまり『やってみたい』理由は単純明快。口に出した言葉の通り。

『面白そうだから』。

この時の発言に、それ以外の理由は無かったと思う。

「いいけど、料理とかどうするの?」

先ほど述べたように、単純な理由しか持っていなかった僕は、細かい部分までは考えていなかった。
しかし、投げかけられた問いに頭を悩ませることはなく、綿菓子くらい軽いノリで返事をした。

「やりながら考えればいいんじゃない?」

「そうだね。じゃあやろうか」

こうして僕らは、目黒不動尊からほど近い賃貸物件を仮押さえした。

まぎれもなく勢いだった。
やる気と勢いに身を任せれば、なんだって出来てしまいそうだ。
……いや、それは言い過ぎかもしれないが、気持ち的にはそんな感じだった。

そこから、どんな料理を提供しようか、デザインはどうしようかといったことを急ピッチで進めていった。


※当時考えていたお店のロゴ

こういったことを考えれば考えるほど、頭の中でぼんやりとしていた自分の店の輪郭がはっきりとしていき、どんどん色鮮やかになっていく。
料理を作って提供する自分の姿。その料理を食べて喜んでくれるお客さんの顔。
想像が膨らめば膨らむほど、それに比例して、店作りへのやる気も湧いてくる。
不安や悩みが積み重なる日々の中で、楽しみだという気持ちもじわりと滲んでいた。

けれど、予想以上に初期費用がかかってくることが分かった。その上、店を始めて初月から黒字に出来れば問題ないが、数ヶ月赤字だったことを想定したときに運転資金のことまでは考えていなかった。
降りかかった現実に頭を抱える。

「資金がない……」

その問題をどうするか。頭を捻りに捻った。うんと考えた。

そこで浮かんだのが、キッチンカーだった。

キッチンカーだったら中古車を買って、設備を自前で作れば、かなり初期費用を抑えられるのではないか?

思案して、「よし」と自分に頷いた。

キッチンカーなら、出来る。これでいこう!

――ということで、キッチンカーを始めることにしました。